パイロットといえば、日本人なら誰もが知っている大会社ですよね。
そんなパイロットですが、万年筆にかなりの力を入れている会社
だというのは、あまり知られてはいません。
むしろ、車で言うとトヨタのイメージに近くて、
品質が高いのに外国製の様に華やかなイメージがないので、
国産万年筆メーカーとして損をしていると、言えるかもしれませんね。
そんなパイロットの万年筆は、日常使いの万年筆としては最高です。
特にパイロット キャップレス万年筆は実用性の高さから
海外でも人気の定番万年筆で、
誰にでもおすすめできますので、今回紹介しますね。
キャップレス万年筆とは?
パイロットのキャッ プレス万年筆は、
ノック式ボールペンのように、「カチッ」と
ノックをしてペン先を繰り出す万年筆です。
パイロットが開発・製品化した世界初のノック式万年筆として、
1963年の発売以来の定番品です。
キャップレス万年筆は、ラミーのダイアログ3など、
外国メーカも発売しています。
ただ使い勝手で言うと、軸のバランス感や、ペン先の気密性など、
パイロットのキャップレス万年筆のが数段上ですね。
さすが国産万年筆です!
ラインナップ
キャップレス万年筆は3種類のモデルに分かれます。
キャップレス・・・スタンダードなシリーズで、男性におすすめ
キャップレス デシモ・・・軽量で細身のシリーズで、女性におすすめ
キャップレス フェルモ・・・ペン先の出し入れの際、回転させる方式でやや重め
長さ | 最大径 | 重さ | |
キャップレス | 140mm | φ13.4mm | 29.7g |
デシモ | 139.4mm | φ11.6mm | 21g |
フェルモ | 139.4mm | φ12.4mm | 33.5g |
独特の外観
万年筆は携帯するとき、ペン先が上の状態でなければ、
インク漏れの可能性があります。
ところが、パイロットのキャップレス万年筆は、キャップが無いので、
軸先の部分にクリップが取り付けられている、独特の形状となっています。
そのため筆記時には、クリップの部分に指をそらせる様な形で、
ペンを持つ事となります。
ペンを変わった持ち方をする人は、クリップの部分が邪魔に感じて
持ちにくく感じるかもしれませんね。
ただ、管理人の個人的な感想としては、逆にメリットもあるかと思います。
ラミーサファリもそうですが、ペンの持ち方をうまく教えてくれるので、
万年筆を使い慣れていない初心者の方には、持ちやすいかもしれません。
また電話の最中で、とっさに万年筆を使うとき、
ペン先が紙にあたる角度を、自分の目で確認しなくても、
クリップ部分に指を沿わせて紙に当てれば、
すぐに筆記することができます。
通常の万年筆は、
①キャップをとる
②キャップを置く・お尻にさす
③紙にペン先を当てる
④ペン先が紙にあたる角度を目視で調整する
⑤筆記する
ですが、パイロットのノック式キャップレス万年筆は
①ノックする
②持ち直す
③紙にペン先を当てる
④筆記する
と、動作が少ないですので、筆記までの準備時間が半分以下になります。
つまり、電話などでメモをとる時ほぼボールペンと同じ感覚で、
万年筆を使えるんです。
また、携帯性にも優れていて、スーツの内ポケットに入れっぱなしで、
数日過ごしてもインク漏れもなく、使いたいときにすぐに使える
機動性はとても便利です。
まさに、パイロットのキャップレス万年筆は、
ビジネス使いとして最適な万年筆とではないでしょうか。
気密性は?
パイロットのキャップレス万年筆は発売から数十年と、
かなりの時間がたっていますので、
いわゆる枯れた技術で作られています。
そのため、気密性も十分確保されており、
1~2か月間ぐらい放置しておいても、
問題なく筆記することができます。
ただ、さすがのキャップレス万年筆も、
半年放置するとインクが乾いてしまいます。
ですので「たまにしか万年筆を使わないよ!」という人には、
1年放置してもインクが乾かない、
プラチナ 万年筆の #3776 センチュリーの方がいいかもしれませんね。
ペン先の書き心地は?
管理人は、18金の細字(F)を使っています。
ペン先が小さいにも関わらず、フワッと弾力がありながら、
腰のあるタッチで、日本語がとてもうまく書けます。
細字(F)だと、ボールペンとほぼ同じ太さですので、
とても使いやすい字幅です。
ペン先の品質はさすが、国産万年筆の雄のパイロットだけあって、
素晴らしいものがあります。
ペン先の種類は、スチールペン先と、18金ペン先がありますが、
価格も1万円台で手に入りますので、
管理人としては、18金ペン先の方をおすすめします。
コンバーターが別売りなのは残念!
コンバーターは別売りですので、コンバーターを利用する人は、
本体の購入とは別に購入する必要があります。
パイロットはCON-70という大容量コンバーターがあるのですが、
キャップレスはCON-20・CON-50という
容量が少ないコンバーターしか使えません。
CON-20は安いですが好き嫌いが分かれますので、
CON-50での利用が一般的ですね。
ちなみに、コンバーターを利用するとインクの残量が
キャップレス万年筆の構造上、分かりにくくなってしまうので、
少し不満を感じます。
インク残量の把握がしづらいのは、
パイロットキャップレス万年筆のデメリットですね。
いざというときに、インクの残量がほとんどない!
という事態を防ぐためにも、
カードリッジは用意した方が良いかもしれません。
おすすめモデルは?
男性なら
キャップレス マットブラックの18金モデルですね。
パイロットらしからぬデザインで、かっこいい万年筆です。
女性は、軽量で軸が細めの、キャップレス デシモが使いやすいと思います。
18金万年筆がAmazonで1万円弱で買えるのはかなりお得です。
女性的な色も魅力的ですね。
万年筆キャップレス デシモ 細字(F)【パールホワイト軸】 FCT15SRPWF
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おわりに
正直パイロットの万年筆は、モンブランやイタリアの万年筆の様な、
色気が欠けるので、食わず嫌いな人が多いイメージがあります。
ただ、パイロットのキャップレス万年筆は、
使ってみると、かなり便利で使いやすいペンです。
万年筆は使い勝手が・・・
と思う人は、ぜひ1度キャップレス万年筆を試してみて下さい。
一般の文房具屋さんにも、結構置いてありますよ。
コメント
コメント一覧 (2件)
私の数少ない亡父の形見が、この「パイロットのキャッ プレス万年筆」です。亡父は、毎日日記をつけていましたが、体が不自由となり、ベッド生活を強いられた際は、このペンを大変重宝にしていたようです。それを今では私が日記に使用しています。
コメントありがとうございます。
お返事遅くなって済みません。
お父様の形見の万年筆を大切にされているなんて、ステキですね。
パイロットは、ペンクリニックを地方でも開催していたりと、アフターケアをとても親身にしてくれる会社なので、私も10年物のキャップレス万年筆が現役です。
ぜひ大切になさって下さい。